不妊治療に関連する検査
当院では、不妊症の原因を調べ、患者さま一人ひとりに適した治療につなげるため、さまざまな検査を行っています。
一般不妊検査、ブライダルチェック、反復着床不全に対する検査(先進医療)、着床前遺伝学的検査(PGT-A・PGT-SR)など、目的や状況に応じた検査をご案内しています。
| 検査の種類 | こんな方に | 主な目的 |
| 一般不妊検査 | 妊娠を希望している方 | 妊娠に関わるホルモンや卵巣機能、子宮・卵管、精子などの状態を調べ、不妊の原因や治療方針を検討します |
| ブライダルチェック | 将来の妊娠・出産に備えたい方 | 妊娠に影響する可能性のある感染症やホルモン、卵巣予備能など、現在のからだの状態を確認します |
| 反復着床不全に対する検査 | 胚移植を繰り返しても妊娠に至らない方 | 子宮内膜の状態や着床に関わる因子などを調べ、今後の胚移植や治療方法を検討します |
| 着床前遺伝学的検査(PGT-A・PGT-SR) | 流産や胚移植不成功を繰り返している方、染色体構造異常をお持ちの方など | 胚の染色体を調べ、移植する胚を選択する際の情報として活用します |
ブライダルチェック、反復着床不全に対する検査(先進医療)、着床前遺伝学的検査(PGT-A・PGT-SR)については、それぞれのページで詳しくご案内しています。
当ページでは、これから妊娠を希望される方を対象に、不妊の原因を調べ、適切な治療方針を検討するために行う一般不妊検査についてご説明します。
一般不妊検査

女性の検査
ホルモン検査
排卵に関わるホルモンである卵胞刺激ホルモン(FSH)・黄体形成ホルモン(LH)・エストロゲン(E2)・プロゲステロンを、月経期・黄体期にわけて測定します。また、卵巣に残っている卵子の数の目安を知るために、抗ミュラー管ホルモン(AMH)を調べます。不妊と関係性があるプロラクチン(PRL)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)も月経中に測定します。
| 検査時期 | 検査項目 |
| 月経中(A) | 卵胞刺激ホルモン(FSH) 黄体形成ホルモン(LH) エストロゲン(E2) プロラクチン(PRL) 甲状腺刺激ホルモン(TSH) |
| 黄体期(F)21日ごろ | プロゲステロン(P4) |
| 随時(G) | 抗ミュラー管ホルモン(AMH) |
通水検査
タイミング法や人工授精では、卵子と精子が出会うために卵管が通っていることが重要です。子宮内に生理食塩水などの液体を注入し、卵管に閉塞や狭窄がないか(卵管の通過性)を確認します。
| 検査時期 | 検査項目 |
| 月経終了直後~10日(B) | 通水検査 |
超音波検査
経膣超音波を用いて、子宮や卵巣の状態を観察する検査です。子宮内膜の厚さや卵巣の状態、卵胞(卵子が入っている袋)の大きさなどを確認します。卵胞の発育をモニタリングすることで排卵時期を推定するとともに、排卵後には卵胞の変化などから排卵が起こったかを確認する「排卵チェック」にも用います。 痛みはほとんどありません。
| 検査時期 | 検査項目 |
| 12日ごろ(C) | 超音波検査(卵胞チェック) |
| 17日ごろ(E) | 超音波検査(排卵チェック) |
性交後試験(フーナーテスト)
フーナーテスト(性交後試験)は、排卵日近くに性交を行った後、子宮頸管粘液を採取して顕微鏡で観察し、精子が子宮内へ進入できているかを確認する検査です。精子の数や運動状態などから、精子と頸管粘液の適合性を評価します。
| 検査時期 | 検査項目 |
| 排卵日(D)14日ごろ | 超音波検査(卵胞チェック) |
クラミジアPCR検査
クラミジアに現在感染していないかを調べる検査です。クラミジア感染は自覚症状がないことも多く、感染によって骨盤内に炎症が起こると、卵管炎や卵管周囲の癒着を生じることがあります。クラミジア感染の既往は、骨盤内の炎症や癒着を介して卵管の通り(通過性)に影響し、不妊の原因となることがあるため、不妊検査の一つとして確認します。
| 検査時期 | 検査項目 |
| 随時(G) | クラミジアPCR検査 |
男性の検査
精液検査
男性側の不妊原因を調べるための基本的な検査です。精液を採取し、精液量、精子濃度、運動率、精子の形態などを詳しく調べます。2~5日間の禁欲期間を設けた後、自宅または当院のメンズルームで、専用の滅菌容器に1回分の精液を採取して提出していただきます。検査結果をWHOが示す基準値と照らし合わせ、精子濃度や運動率などが基準値を下回る場合には、男性不妊の可能性を考え、必要に応じて追加の検査や治療を検討します。
| 検査時期 | 検査項目 |
| 随時(G) | 精液検査 |
よくある質問
A. いいえ。検査によって適した時期が異なるため、月経周期に合わせて順番に行います。ホルモン検査は月経中や黄体期、通水検査は月経終了後、超音波検査やフーナーテストは排卵時期に合わせて行います。AMH検査やクラミジアPCR検査、精液検査は原則として時期を問わず行うことができます。
A. はい。FSH、LH、E2、PRL、TSHなど、一部のホルモン検査は月経中に行います。不妊検査を開始する際には、月経が始まったタイミングで受診時期をご案内します。
A. 月経周期に合わせて検査を行うため、順調に進めばおおむね1~2周期で一通りの検査を行うことができます。ただし、月経周期や排卵時期、必要となる検査によって期間は異なります。
A. 子宮内に液体を注入して卵管の通過性を確認するため、下腹部に生理痛のような痛みや違和感を感じることがあります。痛みの感じ方には個人差があります。通水検査では、卵管に閉塞や狭窄がないかを確認します。
A. 子宮内膜の厚さ、卵巣の状態、卵胞の大きさなどを確認できます。卵胞の発育から排卵時期を推定する「卵胞チェック」と、排卵後に実際に排卵したかを確認する「排卵チェック」にも用います。
A. 排卵日近くに性交を行った後に検査します。子宮頸管粘液を採取し、精子が子宮内へ進入できているか、精子と頸管粘液の適合性を確認します。
A. はい。クラミジア感染は自覚症状がないこともあります。感染によって骨盤内に炎症や癒着が起こると、卵管の通過性に影響し、不妊の原因となることがあるため、不妊検査の一つとして確認します。
A. はい。不妊の原因は女性側だけでなく男性側にある場合もあるため、精液検査は重要な基本検査です。精液量、精子濃度、運動率、精子の形態などを調べます。
A. はい。2~5日間の禁欲期間を設けた後、自宅または当院のメンズルームで、専用の滅菌容器に1回分の精液を採取して提出していただきます。
A. 1回の検査結果だけで男性不妊症と確定するわけではありません。精液所見は体調などによって変動することがあるため、必要に応じて再検査や追加検査を行います。ページではWHOの基準値を参考に評価する方針が示されています。
A. AMHは、卵巣に残っている卵子の数の目安となる「卵巣予備能」を評価する検査です。AMHだけで自然妊娠の可否や卵子の質を判断するものではなく、年齢や他の検査結果と合わせて治療方針を検討します。ページでもAMHは「卵巣に残っている卵子の数の目安」として位置付けています。
A. はい。一般不妊検査を行っても明らかな原因が見つからない場合があります。その場合も、年齢、不妊期間、これまでの治療歴などを踏まえて、タイミング法、人工授精、体外受精など今後の治療方針を検討します。
