体外受精とは
体外受精 (In Vitro Fertilization:IVF)とは、体内から取り出した卵子と精子を同じ培養液に入れて受精させ(ふりかけ法)、順調に発育した胚(通常2-5日間培養後)を子宮内に移植(胚移植)することにより妊娠を目指す不妊治療です。
広い意味では一連の治療全体を差し、狭い意味ではふりかけ法という受精方法のことのみを指します。この方法により受精が難しい場合は顕微授精(Intracytoplasmic sperm injection:ICSI)による受精を目指すことがあります。
体外受精の適応
原則として体外受精(IVF)は、これ以外の医療行為では妊娠成立ができない場合に行われます。
具体的には、以下のような場合があげられます。
- 一般的な不妊治療で妊娠できなかった場合:タイミング法や人工授精を繰り返し行っても、妊娠に至らなかった方
- 卵管性不妊:卵管を切除した方や、検査で卵管の閉塞や癒着が疑われるなど、卵管で精子と卵子が出会う過程が難しいと判断された方
- 免疫性不妊:女性が抗精子抗体と呼ばれる抗体を持っていると、精子の運動や受精が妨げられてタイミング法や人工授精では妊娠が難しい場合があります
- 男性不妊症:精子の数が少なかったり運動率が低い場合にタイミング法や人工授精では妊娠が難しい方
上記に限らず、患者さんのご年齢や基礎疾患(持病)などによっては、早めの段階で体外受精の選択肢をご提案することもあります。
生殖補助医療による妊娠率
日本産科婦人科学会の報告によると、2023年、日本におけるART(生殖補助医療)の総治療周期数は561,664周期、出生児数は85,048人と、保険診療の影響もありいずれも過去最多を記録しました。
2023年の全国データでは、
- 移植実施周期:296,104周期(52.7%)
- 妊娠周期数:115,554周期(20.6%)
- 生産周期数:82,250周期(14.6%)
という結果が報告されています。
また、移植1回あたりの成績は、
- 妊娠率:39.0%
- 流産率:26.0%
- 多胎率:3.77%
となっています。
ただし、これらは全国平均の数値であり、ご年齢、移植する胚のグレード、凍結融解胚か新鮮胚かといった条件によって妊娠率は変動します。
現在のART治療は、一定の妊娠率を維持しながら、多胎率を低く抑える安全性にも配慮された医療として広く行われています。
これらのデータからも分かるように、現在のART治療は一定の妊娠率を維持しながら、多胎率を低く抑える安全性にも配慮された医療として広く行われています。
体外受精に伴う主なリスク
体外受精は安全性に十分配慮して行われる治療ですが、いくつかのリスクが存在します。
- 受精障害のリスク
不妊の原因が卵子・精子、またはその両方の受精障害にある場合、受精率が低くなることがあります。その結果、1個も受精卵が得られない場合もあります。
また、まれに異常受精(主に多精子受精)が起こることもあります。
これらは実際に受精を試みて初めて分かるものであり、事前に正確に予測することは困難です。
- 卵巣刺激に伴うリスク(OHSS)
1回の採卵で効率よく妊娠に適した卵子を得るため、排卵誘発剤を使用します。卵胞が過剰に発育した場合、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)が起こることがあります。発生頻度は約5~10%**と報告されています。
OHSSでは、ホルモンの影響によりお腹や胸に水がたまる、血液が濃くなるなどの症状が出ることがあります。多くは軽症で経過しますが、まれに入院治療が必要となることもあります。当院では、基本的に中刺激法を採用することで発生頻度、重症化予防に努めています。
- 異所性妊娠(子宮外妊娠)
体外受精では、自然妊娠と比べて**異所性妊娠(子宮外妊娠)の頻度がやや高く、約1~3%とされています。
異所性妊娠となった場合、入院や手術が必要となることがあります。
体外受精/顕微授精の費用
体外受精は、健康保険診療の対象となりますので窓口での負担額は治療費の3割負担なります。なお、保険診療で行う体外受精には、従来の助成金制度と同様に、年齢および回数の制限が設けられています。自費診療においては、これらの制限がございません。
年齢制限
治療開始時点で、女性の年齢が43歳未満であることが条件となります。
回数制限
初めて保険診療で体外受精を開始した時点の女性の年齢により、回数上限が異なります。
尚、保険適用前から不妊治療をされている場合、上記の回数上限に過去の治療実績は含まれません。
治療開始時の年齢が40歳未満の場合、(1子ごとに)通算6回まで
治療開始時の年齢が40歳以上の場合、(1子ごとに)通算3回まで
予約方法
初診時の注意点
- 体外受精/顕微授精をご希望の場合は、ご夫婦そろってのご来院をお願いしております。
- 診療の対象は、BMI(BMI=体重[kg]÷(身長[m]×身長[m]))が28以下の方となります。BMI28以上30未満の方につきましては、初診時にお話を伺ったうえで、減量によりBMI28以下となった後に診療を開始いたします。
- 治療内容の特性上、院内の安全および診療環境維持のため、お子様連れでのご来院はご遠慮いただいております。
- 初診のご予約は、月経周期を問わず承っております。
- 受診の際には、健康保険証またはマイナ保険証をご持参くださいますようお願いいたします。
- 体外受精/顕微授精による治療を継続中の方が転院される場合は、必ず紹介状をご持参ください。紹介状には、前院での初回生殖補助医療管理料算定日、保険適用での胚移植回数、および凍結余剰胚がないことの記載が必要となります。
- ご夫婦ともに感染症検査(B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV)を実施させていただくことがございます。検査結果により、当院での治療が難しい場合には、他院をご紹介させていただくことがございます。
- 乳がんまたは血栓症の既往歴がある方は、初診時に必ずお申し出くださいますようお願いいたします。
- 当院ではセカンドオピニオン目的のご予約は承っておりません。
当院で不妊治療対応可能な条件
ご予約の際は、上記の条件をご確認のうえ、すべての項目にチェック(クリック)をしてから、「ご予約はこちら」よりお進みください。
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